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ネコを飼う理由 佐藤優「裏切りのマナー」

 全国紙の夕刊が面白い、と先日書いたが、5月12日付読売新聞夕刊「裏切りのマナー」も読ませる記事だ。元外務省主任分析官で、現在起訴休職外務事務官の作家(文筆家)、佐藤優(まさる)氏の寄稿だ。なかなか朝刊では読めない。帰りの東海道線車内でゆっくり読んで、いろいろ考えさせられた。タイトルは

 「小菅」512泊、最大の教訓  

となっている。同僚の裏切りにはマナーが存在しないことを、実際に、「皮膚感覚で理解した」ことが最大の教訓だったというのだ。同氏は北方領土支援のための公共事業入札にからんだ偽計業務妨害の疑いなどで起訴され、一審、二審で有罪。現在、上告中。読んで、なぜ佐藤氏が自宅にネコを飼っているのか、がよく分かった。仕事場の同僚に、手のひらを返すように裏切られたときに、どうやって心を癒やすか。ある諜報大国(おそらく旧ソ連)の専門家に佐藤氏が尋ねたところ、その専門家は

 「犬や猫や小鳥などの小動物を飼うことだ。小動物は餌をやり、トイレを掃除する人間との間に構築された信頼関係を決して裏切ることはない」

と答えたのだという。これが佐藤氏が自宅でネコ3匹を飼っている理由なのだろう。

 なお佐藤氏は、起訴後、『国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて』(毎日出版文化賞特別賞)で、「国策捜査」を批判している。

 裏切りにマナーはないとすると、最近著

 『人はなぜ裏切るのか ナポレオン帝国の組織心理学』(朝日新書、藤本ひとみ)

を読んで、側近がなぜナポレオンを裏切ったのかを知り、佐藤氏と比較してみるのも一興か。組織の中で、裏切るほうの心理と、裏切られるほうの心理を知らなければ、佐藤氏の言っていることの真偽、真意はわからない。

   同僚にしろ、英雄にしろ、それまでの信頼関係を崩壊させてまで、なぜ裏切るのか。その裏切りの方法は、内部告発、情報漏えい、サボタージュ、カネで目をくらませる袖の下などさまざまだ。いずれの場合にも、佐藤氏によると、人間ならば、それなりにあっていいはずだが、礼儀作法などというものはない。

 それが、ネコなどにはない「人間らしさ」なのかもしれない。こわい話だ。2009.05.13

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