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エロ・グロ・ハイセンス落語 快楽亭ブラックの毒演会in浜松

 桂米朝一門の落語を知っているだけでは、落語の奥深さは分からない。立川談志一門の落語を聞いていても、こんな落語があるのか、ということにも気づくまいというような毒演会だった。その立川談志に入門したという快楽亭ブラックの落語(毒演会)が浜松市(クリエート浜松)で開かれるというので、入場料を払って出かけてみた。なにしろ、放送禁止用語を連発する過激な下ネタに根強いファンも多いとパンフレットにあった。「生涯変態」というのが信条らしい。そうかと思うと、2000年には芸術祭優秀賞という立派な賞ももらっているというのだから、面白いに違いない。

 女性客も結構いたが、大熱演の結論を先に言ってしまえば、

 エロ・グロ・ハイセンス落語

ということだろう。感動した。こういう落語を企画して、会場まで貸し、呼び込みに一汗かいていたまじめ一方の「クリエート浜松」の度量の広さにも感心した。何が感心したかと言えば、人間も含めて動物が等しく持っている「ひわいな」本能と、人間だけが持っている想像力を高度に生かした「想像落語」であったからだ。人間国宝、桂米朝にはできない芸術の世界だ。小泉八雲の「耳なし芳一」をもじった「マラなし芳一」など、なかなか聞かせる落語であった。

 おそらくブラック氏がここまで到達するには大変な苦労があったに違いない。何しろ、40年前(1969年)、立川談志一門に入門してから、芸名が

 立川ワシントン、立川リンカーン、立川ルーズベルト、立川ケネディ、立川アデナゥアー、立川マグサイサイ、立川マンデラ、立川汪兆銘、立川ファルーク、立川ナポレオン、立川成吉思汗、立川ターザン、立川チョンボ、立川大旦那、立川マカライボ、立川ジンジロゲ、立川北海道、立川北千住、立川佃煮、立川レントゲンと、わずか三年ぐらいで20回も改名したというから、なかなかの苦労人なのだろう。いや、楽しんでいるだけかもしれない。

 その後、桂三枝門下に移籍。ジョニー三ノ介、桂三ノ介、桂三Q。

 再び、立川談志門下に戻り、立川談トンに改名するが、すぐ立川二つ目にまた改名とめまぐるしい。それから、立川カメレオン、立川丹波守、英国屋志笑、立川レフチェンコ、立川世之介、立川フルハムロード、立川小錦

 とインフルエンザ・ウイルスもびっくりするほどに、改名変異を繰り返す。そして、ようやく

 快楽亭セックス(別名、立川マーガレット)

にたどり着く。その後も、元号が平成に変わって、立川平成に。

 1992年、二代目快楽亭ブラック襲名、真打昇進

とパンフレットにある。今から、17年前のことである。初代が誰であったかは、パンフレットからは分からないが、これもこの人の人生の尋常ならざる一面を示しているのかもしれない。2005年、立川流自主(?)退会し、今日に至るというのだから、相当な人生の荒波をかぶってきたことをうかがい知ることができる。

 「快楽亭ブラックの出直しブログ」によると、なんでも、退会とは言うものの、多額の借金を理由に立川流を除名されたのだとか。その直後に、心筋梗塞と大動脈瘤解離を併発、生死の境をさまよったというから、すごい出直しとなったらしい。今回の毒演会でも、入り口でDVDを販売していたが、

「不敬罪」、「非国民」、「大迷人」

というタイトル。ここからも、今回の毒演会の内容がわかろうというものだ。

 毒演会の最後に自ら、アンコール拍手にこたえてとして、エロ・グロ・ハイセンスな小話三題を披露していた。中学生向き(メス馬カウボーイ)、高校生向き(口移植)、高度な大学生向き(T字貞操帯=ギロチン式)であったが、ブラック氏も大学生向きはなかなかそのオチは分からないかもしれないと、注釈していたが、小生にも分からなかった。150人くらいの会場のなかで、即座に爆笑、理解したのは、半分もいなかったのではないか。その意味でも

 ハイセンスでインテリ向きの落語

だったと信じている。

結論=人間国宝、桂米朝の落語だけでは、落語の奥深さは分からない。2009.0510

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