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地方紙を読む 山陽新聞

 ビジネスマンなら、たいていの人は、併読紙として、日本経済新聞を読む。それも通勤電車の中で読む。あるいは併読経済誌として「週刊エコノミスト」を毎週、駅スタンドで読んだり、定期購読している人もいる。併読紙として、地方紙を読むというのは、よほどのの通人である。しかも、地元県紙を家庭で読み、併読紙として自分の県とは縁もゆかりもない地方紙を読む。意外にハッとするようなことが載っている。また、中央紙(全国紙)が一面で取り上げていることだけが、ニュースではないことも、併読地方紙からは分かる。

 というわけで、何気なく、少し遅れて届いた3月29日付山陽新聞の第一面評論「山陽時評」に目がとまった。千葉大教授の新藤宗幸氏が

 広がる下層ビジネス  困窮者へ公金を投下せよ

という主張をしている。群馬県渋川市の高齢者向け住宅「静養ホームたまゆら」火災死亡事件を取り上げている。生活保護受給者を「顧客」とする下層社会ビジネスに、市役所が片棒を担いだ、あるいは担がされた格好になっていることを鋭く突いていた。現代日本の下層社会のお寒い実態をまざまざと見せつけられたと嘆いている。嘆いているだけなら、つまらない原稿だが、現状をどう立て直すか、提案が具体的に成されている。

 そこで、よく読んでみると、公金投下とは、具体的には、公営住宅の建設と改修など社会資本の整備と医療・介護のサービスの強化である。すべり台社会をなくすには、まず、住所を確定し、身だしなみをしっかりしなければ、就職面接も受けられない。医療や介護がしっかりしていなければ、働くということ自体無理だ。なるほどと納得した。

 ところが、地方紙の面白いのは、この「時評」が載った同じ新聞の第三面に、

 母子加算を4月から廃止/生活保護(3段)

という記事が掲載されている。時評の主張とは逆行する内容なのである。厚生労働省は、十五歳以下の子どもがいる母子家庭に支給してきた生活保護の母子加算(月額約8000円くらい)を予定通り、四月に廃止するというものだ。母親に就労を促すための措置だという。

 地方紙を読む。そこからは全国紙ではなかなかわからない生身の生活者の実態が具体的に浮かび上がってくる場合がある。同じ原稿でも、取り上げ方、扱いが違うのだ。2009.04.02

 

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