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創刊50年の怪 「朝日ジャーナル」復活 

 「週刊朝日」の緊急増刊として「朝日ジャーナル」(4月30日号)が出た。この3月で「創刊から50年」になるらしい。17年間休刊していたが、「怒りの復活」をしたという。

 表紙には、崩壊寸前の「日本型社会システム」。いま問われているのは、私たちの『知性」、そして「感性」-

となっていて、全く意味不明な「復活」だ。どういうわけか、巻頭言の「風速計」に、週刊朝日編集長 山口一臣氏が、

 この国への強い危機感/ 「知的虚栄心」と「知の復権を」

という「怒りの復活」の経緯を書いている。ジャーナリストだった筑紫哲也さんが強調したという「知的虚栄心」を満たすための雑誌-そんなものがいまの時代に売れるのかどうかはわからない。そんな締めくくりをしているのだから、ばかばかしくてまじめに読む気がしない。

 第一、意味不明の長々しい見出しが多すぎる。それが「知的虚栄心」の証だと勘違いしているとしたら、筑紫哲也さんも地獄で泣いているだろう。

 そんな思いは、団塊世代の小生だけではない。辛口コラムで知られる4月22日付中日新聞夕刊「大波小波」子も、「無意味な復刊」と題して、

 こりゃダメだという感想を持った

 と斬り捨てた。そう言えば最近の『論座』の休刊といい、ずっと以前の『科学朝日』の休刊といい、さらにはその後継である『サイアス』に極まる休刊といい、本気で

 なぜ、休刊せざるを得なかったのか

という真摯な反省が欠けている。左翼的な自己満足に堕している。時代が見えていないのだ。今回の「復活」も書き手に時代が見えていない。そう言えば、『アサヒグラフ』とかなんとかいう雑誌も休刊だか、廃刊したことを思い出した。

 ただ、一つだけ、「怒りの復活」には秀逸なルポがあった。これだけで、490円の価値はあった。それは、

 「年越し派遣村」男性のその後 あなたは、いったい何者か?

 「取材の現場から」となっていて、見出しもズバリ、鋭い。つまり、派遣村に集まってきた人間の中には、あやしげな人物もいることを、暴き立てる週刊紙風ではなく、辛抱強く静かに事実をメモしている。虚言癖の男のような印象を受けるが、そういう偏見を捨てて丁寧に追跡しているのに好感を持った。これだけが、唯一の救いだった。これがなかったら、虚栄心ならぬ「知的詐欺」と言われても仕方がないところだった。2009.04.21

 

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