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1ドル 大富豪と絶対貧民 

 米GMのR.ワゴナー会長が米政府から新たに巨額の追加支援を受ける条件として辞任した。同氏は米政府に最初の巨額資金支援を要請する際、自分の年俸を1ドルすることで合意していた。今日はエイプリルフールだが、うそのような本当の話だ。

 辞任ではまたうそのような本当の話が各紙の囲み記事に出ている。年金など退職関連手当が、合計で約2020万ドル。約20億円である。米証券取引委員会(SEC)に提出した報告書で分かった(3月31日付朝日新聞夕刊など)。このうち退職慰労金は受け取らないことで政府と合意しているという。それにしても、企業の存在理由として、ワゴナー氏の持論「株主の利益拡大」を挙げることからも分かるが、強欲資本主義とはすさまじい。

 ワゴナーさんは年俸1ドルでも豪勢な余生が送れそうだが、世界には、1日1ドル以下で暮らす「絶対貧困者」が、世界人口67億人のうち、五人に一人、12億人を超えているという。これは、ストリート・チルドレンなど、世界の実情を取材して回った石井光太氏の近著

 『絶対貧民 世界最貧民の目線』(光文社)

に出ている。日本でも、『ワーキングプア』(宝島社新書)で知られる門倉貴史氏の近著、

 『貧困ビジネス』(幻冬舎新書)

に、生活貧困者をターゲットにした、というか、食い物にしたさまざまな手口の「ビジネス」が紹介されている。一度失敗したら何処までも落ちていき、二度と這い上がれない「すべり台」社会の恐ろしさを訴えた湯浅誠氏の

『反貧困』(岩波新書)

も考えさせる名著だ。自己責任の美名のもとに、経済規制なき新自由主義を唱えることがいかなる社会を生み出すか、これらの告発はよく示している。それは、資本主義の自壊を通り越して、人と人のつながり、人間は社会的な動物であることをも破壊し、社会自体の崩壊を招きかねないという意味で、貧困問題は貧困者だけの問題ではないことを明確に示している。

 これは、うそではない。本当の話である。

 では、どうすれば、すべり台社会から抜け出せるか、ということだが、これは、明日の日記で紹介したい。2009.04.01

 

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