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本枯節  うま味は形の美にあり

 目に青葉 山ほととぎす 初かつお。

 山口素堂の俳句だが、初かつお、秋口の「戻りかつお」もうまい。そのうまみと香りを凝縮したのが、伝統製法のカビ付けと天日干しを4回ほど繰り返して、水分とにごりの元となる脂肪を抜き取った「本枯節」。「ほんかれぶし」と読む。NHK静岡放送局の「産地発!たべもの一直線」(3月8日)でその製法を紹介していた。焼津産本枯節である。すでに削って売られている、いわゆる「花かつお」の元となるかつお節と、この本枯節とでは、本枯節がかつお節の原型であることは分かったが、製造方法にどのような違いがあるのかは注意して視聴していても、よく分からなかった。このへんをもう少し丁寧に説明した上で、伝統技術を受け継ごうという若者が少なくなった現状を紹介すれば、受け継ぐことの重要性がより説得力をもって視聴者に伝わったように感じた。それにしても、カビに水分を抜き取らせるために、カビ付けをするという、昔の職人の技には感心させられる。四回繰り返すことで、水分含有率は16%にまで下げて、うまみを凝縮させるのだという。

 本枯節は、出来上がった時の形、フォルムも美しいのが特徴のようだ。大き目の「雄節」と小さ目の「雌節」のなんともいえない形の美は確かに、逸品である。それだけに、最初にかつおを三枚におろし、さらに、それを二つ割にする手さばきは修練が要るだろう。元のかつおの姿を大事にしながら、出来上がりの見た目の美しさを大切にする。西欧料理にはなかなか見られない日本料理の大きな特徴でだ。

 うま味は、形の美にあり

そんな印象をもった番組だった。それと、本枯節というのは、何も焼津産だけでなく、土佐産本枯節もあれば、全国ブランドの鹿児島県の枕崎産本枯節もある。それらの違いは何かにも一言ぐらい言及があってもいいのではないか。そうすれば、なお、地元として焼津産の伝統技術を受け継いでいくことの意味が明確になったと思う。ただ、スタジオでおいしい、おいしい、というだけでは、焼津産本枯節の良さは伝わってこない。

  もうひとつ、本枯節は通常のかつお節に比べて、そうとう値段が高いということも、一言触れておくことも良心的な番組としては必要ではないか。どの産地のものも、おおむね、一本=1500円前後である。削り器とかんなもそろえなければならない。

 この番組では、遠州(掛川市)のサツマイモを使った「芋切り干し」も、男性レポーターが紹介していた。一般には、干し芋と言われているものだ。ふかしたサツマイモを手早く皮をむいて、形に切り、天日干しする。私も最近食べたが、なかなかおいしく、お腹もふくれる「お菓子」だ。値段も安く、これぞ、庶民の味というか、お袋の味というか、うまかった。2009.03.08

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