DNA捜査万能論に冷や水
中日新聞夕刊(3月26日付)に、
DNA 犯罪立証できず
という面白い囲み記事が出ていた。その心はというと、一卵性双生児が犯罪にかかわった場合であったからだ。これだと、何カ所かに設定されている個人識別部分のDNA塩基配列も同一となり、新兵器も威力が発揮できないというわけだ。6億円宝石泥棒の容疑者が現場に残した手袋から採取したDNAから双子を容疑者として逮捕したまでは良かった。さて、どちらかという段になって、捜査当局ははたと困ったというわけだ。二人の犯行なのか、それともどちらか一方の犯行なのか、容疑者の特定ができず、結局、警察は双子の二人ともを釈放したと伝えている。
一卵性双生児でも、指紋は異なる。だから、指紋が手袋から採取されていれば、双子のどちらかなのか、判定できたという。血液鑑定でも、最近では、ABO型のほか30種類以上もあり、それらを組み合わせれば、犯人の特定はできる。
犯罪捜査は次第に最先端のDNA鑑定で個人識別するようになってきたが、まだまだ老兵の血液型、指紋鑑定などの活躍する場がありそうだ。2009.03.27
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