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2014年12月 7日 (日)

浜名湖をめぐる研究者の会 2014 in  ------- 弁天島水産実験所

(2014.12.7)  先日の12月6日土曜日、浜名湖や佐鳴湖について研究成果を発表するImgp6592

 「浜名湖をめぐる研究者の会」( = 浜めぐ)

が開かれた。会場は弁天島(浜松市)の東大農学部大学院附属水産実験所。戸田三津夫会長が

 佐久間ダムの堆砂を急いで片づけるには?

を発表した。日本のどのダムでも、今、問題になっているテーマであり、スライドを使っての口頭発表では関心も高かった。

 ● 浜松大平台高も発表

 そのほか、県立浜松大平台高校生グループ(発表者 = 濱本彪 )が、

 佐鳴湖にリンが多いのはなぜか、その原因について

という第一報の発表を行なった。

 この一年間、同校3年生が行なった校内での研究と発表を、あとを引き継ぐ2年生が代表代理として口頭で報告していた。校内での10月の発表会のときよりも、問題意識をタイトルに明確に打ち出していた。その上で、多い原因を推定する核心部分をわずか3分間でまとめていたのには、感心した(「注記」の写真は、研究全体を1枚の大きなポスターにして掲示したもの)。

 原因の推定では、測定データを地点ごとに色分けし、それぞれを折れ線でグラフ化。測定したリンの出所を絞り込むなどなかなか説得力があった。生物の生存にとって不可欠なリン資源なのに日本は採掘して採算の取れるリン資源はほとんどない。だから、日本は輸入に頼っている現状である。が、世界的にもあと100年ぐらいで枯渇する。こうした危うさを問題意識として持って、来年度も、掘り下げた取り組みをすれば、大きな成果が期待できると思う。

 ● 佐鳴湖底質の潜水調査2014

 Imgp66012 そのほか、ブログ子が、

 ヤマトシジミの繁殖適地を求めて

   佐鳴湖底質の潜水調査報告2014

を行なった(使用したスライドは「注記」)。今夏8月、山室真澄東大教授にお願いして調査したもののまとめ。

 結論としては、スライドにあるように、自然の残っている北岸より、むしろ都市化の進んでいる南岸のほうが、底質からは適地であることが、概略だが判明した。

 ● 全体講評 生命とは何か

 ブログ子の好みとしては、静岡大の福田洸平氏らの

 佐鳴湖に生息する極小細菌の単離および解析

という発表に興味をひかれた( トップ写真 )。通常の細菌の大きさ、1μメートルよりもかなり小さい極小細菌が佐鳴湖にはすみ着いているらしい。塩分濃度が高いことが体を小さくしているのかもしれない。

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 この発表で気づいたのだが、全体講評として言えば、分子レベルの発表が多かった。しかし生物とは何か、生命とは何か、進化とは何かという本質的な問題の解決は、分子レベルではなく、やはり細胞レベルの研究が決め手であろうというものだった。

 ●注記 

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 ● 注記 ヤマトシジミの自然繁殖適地求めて

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2014年11月29日 (土)

大平台高生ボランティア、佐鳴湖をゆく

(2014.11.29)  せせらぎ水路において、浜松大平台高校3年生ボランティアと来年その後を引き継ぐ2年生たちとともに、10月26日、6代目シジミの生存率調査をした。あわせて、7代目がどの程度生まれているか、予備的な調査をした。

 詳しくは、

 生存率の調査 大平台生ボランティアとともに =

 http://lowell.cocolog-nifty.com/30nenme/2014/10/post-d15d.html 

を参照のこと。

 この続きとして、晴れの11月24日、2年生ボランティアたちが作業現場の佐鳴湖を訪れた。来年からの作業に慣れてもらうために、北岸サギ島と湖中の北実験圃を、今夏放流したシジミ育成カゴの位置確認も兼ねて、見学してもらった。

 参加者は、リーダーの谷田君など生徒4人、新会員の山田養司さん、田中律子さん、細井芳弘さん、ブログ子。引率は多々良昌輝先生。

 ● 北岸サギ島の様子

 右端が会員の細井さん。

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 ● 北実験圃の様子

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戸田会長が佐鳴台中で出前授業 

(2014.11.27)  今年も佐鳴台中学校の体育館で、戸田三津夫会長を講師に佐鳴湖出前授業が11月21日に行なわれました( 写真右 )。中学1年生3クラス、総合学習の時間として約90人が授業を受けました。

 Imgp63472014 佐鳴湖というのはどういう湖か、どのような水循環をしているのか、汚れがひどい原因は何か、さらには近代農業と化学肥料、エネルギー問題など、環境問題では理科と社会科とが複雑に関係するという点について総合的に学びました。

 具体的には、1時間のスライドを使った授業とシジミの水質浄化実験、湖の汚れの原因となる土壌実験を、静大生やプロジェクト協議会会員なども手伝って行なわれました(補助者 = 細井芳弘、ブログ子)。

  シジミの水質浄化能力については、上写真の右下に写っている2つのガラス水槽で行ないました。ピンクの水槽には湖水のみ、その横に並べたもう一つの黒い水槽には湖水とともにシジミを100個くらい入れました。授業時間の2時間でシジミの入った水槽はおどろくほど水が透明になっており、その能力のすごさを目に見える形で生徒たちに見てもらいました。

 さらには実際に湖に出かけて、水質浄化施設の見学、シジミの自然繁殖を目指している湖岸のシジミハウスの内部も見学してもらいました。

 シジミハウスの見学では、どのようにして自然繁殖でシジミを復活させようとしているのか、プロジェクトの目的とともに、実物の施設を見せながら解説しました。

 ● 授業の要約 みんなで知恵だそう日本のリン資源

    今の農業は持続的でもエコでもない

 人間も含めて生き物が生きていくには、有機物を通してエネルギーを生む窒素やリンは欠かせない。窒素については空気中にいくらもある。これに対し、食料生産や工業生産にも必要なリン資源については、日本には採掘して採算のとれるものはない。

   ところが世界的にもリン資源はこの100年ぐらいで枯渇する恐れがあり、輸入しようにも、このままでは将来日本はリン資源を確保できなくなる可能性がある。

 日本は現在、肥料、飼料などの形で年約100万トンものリン資源をモロッコ、中国などから輸入している。しかしアメリカなどではすでにリン鉱石を戦略物質と位置づけ、輸出を制限しているという現実がある。そんな懸念のあるリンなのに、おどろいたことにリン資源は日本ではリサイクルなどはほとんどなされていない。

 この点について具体的に考えるため、授業では三方原の赤土と似た園芸用の赤玉土と試薬を用いて土壌実験を実施。すると、リンを含んだリン酸は土壌をほとんどすり抜けないことがわかる。ということは、肥料のなかのリンは肝心の作物には届きにくいということになる。だから、どうしても多く肥料を使いがちになる。もう一つ、この結果からは輸入したリンはほとんど日本の土中にたまったままであろうということも推定できる。

 つまり、経済原理から採算性と効率性を優先せざるを得ない今の日本の農業は、持続的でもエコでもないという結論になる。肥料を多く使うとその分農家の収入が多くなるという今の農業のおかれているこうした深刻な構図にもっと疑問を持ってほしい。

 農業は日本の将来を左右する土台産業である。とするならば、今の社会にこのような問題が存在することをまず認識すること。その上で貴重なリン資源を持続的に利用する知恵とは何か、長期的な視点から、今後みなさん自身でも考えてみてほしい。

 その参考として「補遺」にリンは人に欠かせないという記事を挙げておく。

 ● スナップ写真 

 以下、このときの出前授業の様子を写真で紹介しておきます。

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 ● 補遺  人に欠かせないリン

 朝日新聞特集記事 = 2014年4月28日付朝刊

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北岸管理棟で静大生が佐鳴湖授業 

Imgp6289 (2014.11.25)  先日、秋の佐鳴湖水質調査のあと、参加した静岡大工学部生らが北岸管理棟で佐鳴湖授業(戸田三津夫会長担当)を受講しました( 写真右 )。

   講師は、県浜松土木事務所の大井戸志朗氏。同氏は水質調査にも参加していました。授業には浜松市からは保健環境研究所の萩原彩華(水質測定グループ)さんと、協議会からブログ子も聴講しました。

 授業のテーマは主に佐鳴湖の水質汚濁について。

 水流と汚濁のメカニズム、汚濁の程度を示す環境指標COD(mg/L)の最近の経年変化、そこから見えてくる最近の汚濁原因、つまり、汚濁に占める面源負荷割合が年々増加している実態を具体的に紹介。その後で、面源負荷対策の現状について話をまとめてもらいました。

 1時間の講義の後、学生と講師の質疑応答がありました。

 使用されたスライドの一部を、以下に掲載しておきます。

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2014年11月19日 (水)

佐鳴湖水質調査 2014年秋

Imgp62382014 (2014.11.19) 恒例となっている

 佐鳴湖水質調査

に、先日の好天の日曜日午前でかけた。

  写真右は、調査終了後に、開かれた

 佐鳴湖うなぎの試食会(入野漁協主催・提供)

の様子(南岸の漕艇場前)。ブログ子も試食したが、天然ウナギということで、皮に弾力があったのが印象に残った。

 ● 測定された調査データ

 水温 13.6℃、塩分 3.2パーミル。湖水の色 薄茶

 湖水のにおい 無

 pH 8.85のアルカリ性

 DO(溶存酸素) 8mg/ L  ( 環境基準 5mg/ L以上 )

  COD 10mg/ L  ( 環境基準 5mg/ L 以下 )

透視度 13cm

透明度 50cm 

  以上は、いずれも調査地点は漕艇場前でのブログ子の生データ。

 以下は、東岸の浄化槽施設付近の調査( せせらぎ水路付近 )

 COD 10-13mg/ L ( 反応時間は5分で判定 )

  生物生息の調査

 フナ25cm、スジエビ、モクズガ二、テナガエビ、チチブ(ハゼの仲間、写真)、ムツゴ

 ● 写真 南岸の漕艇場前

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 ● 写真 東岸の浄化施設付近

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● 過去のデータ

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● 新聞記事 

 2014年11月16日付中日新聞朝刊 =

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  2014年8月19日付中日新聞朝刊 =

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 ● 配布パンフ

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2014年11月10日 (月)

県浜松土木事務所と意見交換  せせらぎ水路

(2014.11.09)  先日11月6日、静岡県浜松土木事務所(県浜松総合庁舎)との間で、せせらぎ水路の利用について、佐鳴湖シジミプロジェクト協議会かImgp614620141106 らのお願いと、それにかかわる意見の交換を行ないました。よりシジミの育成に適した水環境をつくるために、水路のなかに設けられている

 「生物の生息・生育の場」などの一部改善についての素案

を申し入れしました。

 出席者は協議会から戸田三津夫会長、佐倉康男、ブログ子。浜松土木事務所からは企画検査課の松村暢久課長、大井戸志朗主査をはじめ、工事課、維持管理課、企画課のみなさんに参加していただきました(写真上。左から2人目が松村課長。右下が戸田会長。立って説明しているのは佐倉さん)。

   せせらぎ水路の図面などは、「注記」を参照。

   まず、佐倉さんがまとめた「せせらぎ水路改善案」は注記に。

 せせらぎ水路の湖面出口の波消し杭の外側5メートルのところまでに、砂の流出を防止する簡単な潜堤を設ける。今のがれ石はシジミの生育には適さないので、一部撤去し、そこへグリ石を詰めた土のう積む。その上に砂を敷き詰めるという二層構造に改善するというもの。

 浄化された水が、せせらぎ水路をながれる時、シジミの生育に好ましい程度にゆるやかにする方策についても、提案しました。

 この当初案は、せせらぎ水路のなかの「水と触れあえる場」の改善案でした。しかし意見交換で、湖側の「生物の生息・生育の場」(注記)で改善案を考えるのが、せせらぎ水路の利用本旨に沿い、また、手続き的にもやりやすいのではないかとの意見が土木事務所側からだされました。この点については、双方、おおむね意見が一致しました。

 ● 今後の検討課題

 こうした改善案が有効かどうかの見極めも必要ですが、仮に有効だとしても、

 まず、こうした改善・改修がそもそも

 補助金等適正化法(適化法)に適合した変更かどうかの確認

をすることだ第一です。土木事務所にこの件、依頼。

  第2点は、仮に適合したものであったとしても、佐鳴湖は二級河川(新川)の一部であることから、このような河川維持修繕工事にあたっては 

 河川法27条(土地の掘削等の許可等)

の許可を受けなければならない点です。

 同条では、

 河川区域内の土地において土地の掘削、盛土もしくは切土の形状を変更する行為をしようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、(軽易な場合を除いて)河川管理者の許可を受けなければならない

となっています。

 第3点は、上部団体の佐鳴湖地域協議会や佐鳴湖の未来を育む会などと協議する必要性についても、話し合われました。予算を計上する関係もあり、土木事務所側からも、事前の報告だけですましていいかどうか検討が必要との認識が示されました。

 第4点は、改善案が舟などの通行の邪魔にならないことを確認する意味でも、入野漁協の了解あるいは調整も必要だろうということで意見が一致しました。

 ● 浜松土木事務所からの回答  11月12日記

 第一点について。

 施設の設置目的を大きく変更する内容ではないため、問題はない。

 第三点について。

 財政的に支援できる上限は地域協議会の助成金制度の範囲内であると考えており、県(浜松土木事務所)として予算を計上する予定はない。承知してほしい。

 また、改善素案の内容が設置目的を大きく変えるものではないため、現時点では、みらいを育む会や地域協議会でこの件を取り上げる予定は考えていない。この点も承知してもらいたい。 

 ● 注記

        (写真や図面はダブルクリックで拡大可能)

 改善に対する当初の佐倉案=

  「img00520141106.pdf」をダウンロード

 協議後の新しい修正佐倉案=

    「img006.pdf」をダウンロード

 せせらぎ水路の図面と施工図=

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2014年10月28日 (火)

生存率の調査 浜松大平台高校生とともに

Imgp6020 (2014.10.28)  昨年春にハウス内で生まれ、そして育ててきた1年ものの6代目親貝を、この夏、せせらぎ水路など湖中の3カ所に自然繁殖の確認を意図して放流した。

 それから4か月半、それらが佐鳴湖という荒波のなかで、どの程度生存しているのか。また、生存しているとしても、同程度、湖のなかで人の手を借りないで次の世代を自然繁殖しているのか。自然繁殖していれば、7代目シジミとなる。

 これらについて、放流した6代目親貝の生存率と、7代目が湖でどの程度生まれているか。その様子などを中心にその概要をつかむため、中間報告の形で調査した。

 作業は小雨の10月26日日曜日午後、ハウス+せせらぎ水路で行なった。

 この日は、この夏からボランティアとして参加していただいている大平台高校生の3年生(リーダー吉川渓太君など4、5人)と、来年度から参加を引き継ぐことになる2年生たちとが、見学もかねて大挙、作業に参加してくれた。2年生はリーダーの谷田隆太郎君など4、5人。

 女子生徒や引率の多々良昌輝先生も新たに参加してくれたのは、とくに心強い。今後の活動を盛んにする点において、とてもよかったと思う。

 ともかく、雨中だったが、これまでになく、大変にぎやかな調査作業となった(写真上= せせらぎ水路で作業を開始する様子。見守る奥の水色傘は、新会員の田中律子さん。写真下 = 胴長姿で笑顔の2年生、松井琉奈さん)。

 ● せせらぎ水路 中間調査の結論

 Imgp60222_2 昨年春に生まれた6代目については、今夏の6月下旬ころから7月中旬にかけてハウス内で大量死があり、放流しても生存できるか、あるいは自然繁殖するかどうかが心配された。

 そんな中の今回の作業だったが、主な成果と結論は次の3点である。

 なお、便宜のために今夏の作業の経過については、文末の「注記」に一覧できるよう注記しておく。

 詳しいことは、このブログのその該当日付の記載をみてほしい。

 ● 3箱平均生存率= 72%

 結論の第一。

 Imgp60265040 調査実験用のステンレス製カゴ(10ミリ以上の6代目親貝50個体入り)+砂バット、計3箱(7月27日放流)を調べたところ、

    40/50個体、24/50個体、44/50個体

という結果となった。

 Imgp60285024 3箱平均の生存率= 72% (その様子は、右の3写真)

  猛暑だった昨夏に比べて今夏は涼しかったこともあるが、今夏の大量死という事情を考えれば、期待していた以上に生存率がよかったといえるだろう。

 第二の結論。

 調査実験用から外れた大量の6代目子貝(10ミリ未満)については、17箱(7月27日放流分)+2箱(8月7日作業後の追加放流分)をまとめて離れたところに放流しておいた。その一部を開いて調査してみると、

 Imgp60305044 全滅していても「ダメもと」と考えていたが、予想以上に多く生存していた(個体数は未カウント)。

  ● 自然繁殖の可能性も

 三つ目の結論。

 プロジェクトの目標である7代目の自然繁殖が起きていたかどうかについては、最終的な確認や結論付けはこれから。だが、慎重に調べたところ

 Imgp6032741 上記の実験用カゴの砂地(泥)から1個体(左写真、殻長7.5ミリ.)+5個体(写真下)

をみつけた(吉川リーダー)。

 この5個体の殻長は、小さいものから順に

 3.0ミリ、6.0ミリ、7.0ミリ、7.0ミリ、9.0ミリ。

 いずれも親貝の大きさ以下(簡易ノギス測定)。最後の9.0ミリについては自然繁殖ではない可能性もあるだろう。

 自然繁殖の確認や今後の継続した成功の成否は、当然ながら、次の繁殖期が始まるまでの今後半年が正念場。

 なお、ハウス内での7代目の子貝は、ずいぶん少ない気もするが、順調に育っているように見受けられる。そのためには、ハウス内の生育環境をよくしておく必要がある。

 その意味で、せせらぎ水路でのこの作業と平行して、戸田三津夫会長も参加して、ハウス内の奥の育成水槽の水の入れ替え作業を行なった。大量死を招かないよう、ちょくちょく機会を見ながらの清掃は、ハウスの環境メンテナンスとして必要だろう。

 ● 写真 自然繁殖の可能性調査

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● 写真 生存率調査の様子

  砂の入ったバットはいずれも泥のたまり具合がかなりひどい。

  が、生存率は思いのほか高かった

  (写真下= 左端は佐倉康男さん)。

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 ● 注記 今年6月から8月にかけての作業経過

   ○ 6月10日火曜日

     7代目に向け第1回目の人工授精(ハウス)

   ○ 7月7日月曜日 

     大量死の異変、または顕著な兆候発見

     吉川君など大平台高校生4人、

          ハウス見学(顕微鏡観察も、長野裕紀先生引率)

     6代目シジミ(親貝、2013年春生まれ)の成長を

          観察するために、この日、

           6代目親貝50個体のデータを測定

     測定後ステンレス製ではないバットに入れ、

     せせらぎ水路に放流。

      ○ 7月19日土曜日

          ハウス内で6代目の大量死確認

     激しい雷雨のなか、戸田会長らで、

     ハウス奥2つの育成水槽の水入れ替え。

     および丸い貯水槽の水抜き、清掃。

     受精卵の入ったハウス左手水槽はそのまま。

   ○ 7月23日水曜日、高校生(西君)、サギ島をゆく

     6代目親貝50個体入りのステンレス製カゴ4箱

     カゴを砂入りバットのなかに入れて

     その4箱を放流。

     北実験圃へは、3箱(砂入りバット付)

      ○ 7月27日日曜日、せせらぎ水路

     大平台高校生ボランティア4人参加。

     7月23日のつづき作業として

     せせらぎ水路へ。

     ステンレス製の育成カゴ50個体入り3箱を放流

     (6代目親貝10ミリ以上)

     〝ダメもと〟で、

     6代目10ミリ以下(ほとんど死子貝)を17箱を

     実験用と離して放流

  ○  8月7日木曜日 ハウス奥の2育成水槽の

     完全水抜き、掃除

     (ハウス左手の7代目育成水槽はいじらず)

          水抜き清掃後に得られた残余の

     6代目親貝+10ミリ未満の子貝数百個は、

     すべて2箱にまとめ、また実験用とは離し、

     せせらぎ水路に放流。

     この追加2箱(砂入りバット)のなかから、

     念のため、細井は、生きていそうな

     数十個の親貝を自宅育成で持ち帰る。     

     (その後、湖水で水槽水を頻繁に入れ替え、

     10月下旬現在、かなり生存している)

     以上の経過により、

     最終的な「ダメもと」の箱は17箱+2箱。

     (下の写真は、作業終了直後のせせらぎ水路を悠々と闊歩するアオサギ。シジミを食べませんように )

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2014年10月27日 (月)

佐鳴湖をきれいにする会の活動

Imgp5954 (2014.10.27)  先日の土曜日、ちょくちょく利用している近くの佐鳴台協働センターで、

 協働センターまつり「佐鳴台文化の祭典」

という地域文化祭が開かれていた(写真右)。協働センターというのは、かつては公民館と呼ばれていた施設。

 ふらっと訪れたのだが、

 佐鳴湖をきれいにする会

のパネル展示が興味をひいたので、ここに写真を載せておきたい。

 (写真はダブルクリックで拡大できる)

 Imgp5952 

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2014年10月18日 (土)

課題の目的と動機は何か  - 研究発表会に参加して

(2014.10.18)  静大工学部大学院の戸田三津夫会長が、佐鳴湖の水環境についての講演を兼ねて浜松大平台高校で模擬授業をする。というので、10月16日、お供で同校を訪れた。

 ● 浜松大平台高校へ

 Imgp5857 同校の自然科学系列の生徒たちには、今年からボランティアとして佐鳴湖シジミプロジェクトに参加してもらっている。このこともあり、講演に先立って開かれた3年生の課題研究発表会の成果を今後のシジミプロジェクトの参考にしようと、見学がてら取材を行なった。

 物理班、佐鳴湖水質班、佐鳴湖プランクトン班、シジミ生物班の順に、質疑応答も含めて20分くらいずつ発表が行なわれた。いずれもパワーポイントで作成したスライドや写真、映像などを駆使しており、ビジュアルな発表会だった。

 ブログ子の大学時代のような紙メディア主体の文字ばかりの発表会とは大きく様変わりしていたのに、まず驚いた。校舎がりっぱなのに加えて、教育のあり方も大きく変わっていることが、実感としてよくわかる。

 発表会の感想を先に言えば、いずれの課題研究の発表においても、おおむね

 課題研究の目的は何か、また、その目的は何のために設定したのかという動機づけが不明確である

というものであった。

 一言でいえば、課題に対する問題意識がどうも希薄という印象を持った。このこともあり、取り組んだ課題から浮かび上がった問題点や、課題研究と社会とのつながりについて詰め、まとめたグループがなかったのが残念。

 だから、指導では、発表にあたって

 課題の目的、動機、社会との関係の3点セット

を明記したスライドを冒頭に必ず1枚映し出す。このことを徹底する、あるいは発表生徒に義務付けてはどうかとも思った。これによって、生徒自身が自分のやろうとしていることの立ち位置を明確に意識するようになる効果があるだろう。

 また、このブログもそうしているのだが、肯定的にしろ、否定的にしろ、得られた結論を発表の冒頭近くに述べると、聞く人に対しては親切であろう。このことも望んでおきたい。

 さらに、もうひとつ加えれば、課題研究に取り組むにあたって、これまでの研究をおさらいするという意味で、文献調査を徹底するよう生徒を指導することも必要な気がした。ネット時代の若い世代にとってこの調査は得意のはずだからである。研究のまとめで、その文献を最後にまとめておけば引き継ぐ2年生も助かるだろう。

 個々の研究に立ち入っていえば、もう少し比較研究というやりやすい方法を導入してはどうかとも感じた。

 以下、これらの項目を中心に、個々の発表について感じたことを正直に、そして具体的かつ提案的に書いてみたい。

  なお、指摘にはずいぶんと手前勝手な点もあるとは思う。しかし、自然科学系列の生徒たちの将来の活躍や私たちのプロジェクトの戦力化を願ってのことであり、礼に失するところがあるとすれば、お許し願いたい。

 ● ブーメランとの比較が面白い 物理班

 物理班の「夢を紙飛行機に乗せて」について。

 まず、自然科学系列の発表なのに、このタイトルはいかにも文学的。何をいいたいのかちょっと想像がつかず、違和感がある。夢の中身、つまり目的を明確にしたタイトルにしてほしかった。

 たとえば、

 より安定した紙飛行機づくりを目指して

というタイトルなら、内容が想像しやすいし、発表に引き込む訴求力も高くなるだろう。

 発表後の質疑応答でも話したが、空気力学とか流体力学の課題であり、比較研究として同じ紙を材料にした紙ブーメランとの比較研究が大変に面白いのではないかと、発表を聞きながら気づいた。

 安定してまっすぐに飛ばしたい飛行機と、正確に手元に戻ってこなければならない紙ブーメランとの違いは何か

というテーマ設定である。ともに、実は安定性がポイントなのだ。今回の体育館での飛行実験とはちょうど真反対の動きをブーメランはする。これはなぜだろうか。

 紙ブーメランのつくり方については、大阪経済大学の西山豊さんの

 ブーメランはなぜ戻ってくるのか =

 http://www.osaka-ue.ac.jp/zemi/nishiyama/math2010j/boomerang_j.pdf 

がとても参考になる。第一、楽しい。

 さらに、これについて、体験的に解説した

 ブーメランはなぜ戻ってくるか=

 http://lowell.cocolog-nifty.com/blog/2014/09/post-3c9b.html 

をみてほしい。古典物理学の基本が楽しみながら学べる。しかも、なぜという問題意識を醸成するのに格好のテーマ。比較研究は比較的に容易に成果が得られる手法であることに生徒は気づくのではないか。

 ● 踏み込み不足の水質班

 第二。佐鳴湖水質班の発表について。

 Imgp5881 佐鳴湖のリンについてというタイトルだったが、4つの発表の中ではもっとも社会との結びつきの強いテーマであり、注目した。であるだけに、もっと踏み込んだタイトルにしてほしかった。

 たとえば、

 佐鳴湖にリンが多いのはなぜか その原因について

とすれば、発表の趣旨が一目でわかる。これに対し、発表では目的と動機づけが希薄だったこともあり、最後まで何を結論付けるのか、わからなかったのは惜しまれる。 

 工場排水が原因ではないかと疑わせる結果が出たのに、その可能性を強く主張するには踏み込み不足だった。

  リンと社会との関係については、最近の朝日新聞特集(2014年4月28日付。「注記」参照)が参考になるだろう。

 いいところまで行っているのに、そして、考察欄もあったのに、大魚を逃がしたような発表だったように思う。

 ● もっと文献調査しっかり プランクトン班

 第三。プランクトン班「湖水の色とプランクトンの季節変化」について。

 夏の色と冬の色の違いはなぜ起こり、それはどのようなメカニズムか

という着眼点はすばらしい。

 結果がはっきり出なかったのは、問題の複雑さを考えると、ある意味では仕方がないかもしれない。

 しかし、あらかじめ文献調査をして、あたりをつけていれば、無駄な測定は省略できたかもしれない。尻切れトンボになってしまい、惜しい研究だったと思う。

 ではそうならないためには、具体的にどうすればよかったか。

 浜松市保健環境研究所では毎月1回、佐鳴湖に生息する植物プランクトンの実態など水質調査のいろいろな項目を計測している。その速報値は、ホームページで逐一そのデータを公開している。

 この課題研究と密接にかかわる

 「佐鳴湖における植物プランクトンの季節変化」(同研究所の荻原彩華研究員など)

という最近の調査報告も出ている(詳細は「注記」2参照)。この中ではさまざまな測定項目の間の相関関係も調べている。おおいに参考にしてほしかった。

 文献調査で得たデータを活用しながら、その上に、問題意識をもって自分たち独自のデータを付け加える。そうすれば、新しい意味のある成果が比較的簡単に得られただろう。

 そもそも、水質班は取り組む前にこの研究所を訪問し、いろいろ教えてもらうというやり方もあったのではないか。これは、来年度から引き継ぐ2年生の課題であると思う。ちなみに、上記の調査のまとめ役は、水質測定グループの萩原彩華(はぎわら あやか、戸田研究室出身)さんである。

 ● 社会性に踏み込むシジミ生物班

 Imgp5863 最後に、シジミ生物班の発表について( 写真 )。

  シジミの水質浄化能力を目に見える形で水槽を使って示して見せたのはよかったと思う。

 ただ、ここでも育てているタイワンシジミと佐鳴湖のヤマトシジミの比較研究があればもっと意義のある成果が出たと思う。それがないので、タイワンシジミのすごい浄化能力ということはわかっても、比較可能な定量的な成果が出せていなかったのはやや残念。

 取り組んでいる課題研究と社会との関係を知るために、佐鳴湖で行なわれているシジミプロジェクトのハウス見学やボランティア参加が発表されていたのは、ほかの発表にはない特徴だったと思う。

 問題解決型の課題研究

は、生徒の問題意識を高める上で、よい方法であろう。

 しかし問題は、学校内の実験と野外のシジミハウスの実験との間には、どのような違いがあるのかということが、きちんと抽出されていなかったこと。活動報告をすること自体は、ボランティア活動として意味がある。が、課題研究としては問題意識においてものたりない。

 会場から質問が出ていたが、シジミにとって理想の環境とはなにかという比較研究は大事である。佐鳴湖がそれからずいぶんズレているから、シジミがなかなか自然繁殖しない。理想の環境を持つどこかの湖を見学し佐鳴湖と比較するというのもこれからの課題ではないか。

 そうすれば、佐鳴湖の将来も見えてくるように感じた。

 ● 戸田先生の模範授業

 Imgp5875 最後に、研究のありかたについて模範授業をした戸田授業について。

 佐鳴湖の何が問題なのかをスライドを使って箇条書きしていたこと( 写真 )、あるいは佐久間ダム排砂問題でも、授業当日の朝日新聞社会面トップ( 写真= 注記3 )を示し、研究や提案の重要性を印象づけていた。とくに後者は、研究の社会性をアピールする上では、格好の材料だったと思う。

 生徒たちの課題研究においても、日ごろ新聞などをよく読んで、自分の課題研究との関連に関心を持つなど視野を広げる。そのことで社会的な課題に少しでも切り込む姿勢をアピールしてほしいと感じた。

 ● 「はまめぐ」への参加

 それには、まず手短なところで、今年は12月6日土曜日午後に開かれる

 東大弁天島水産実験所主催の「浜名湖をめぐる研究者の会」(通称、はまめぐ)

に参加しようという意見が出ていたのはよかった。

 高校生も気軽に発表できるこの「はまめぐ」には、ブログ子もこのところ参加している。浜名湖や佐鳴湖の生き物や水環境のほか、さまざまなテーマが取り上げられ、活発に討論されている。毎年、高校生の発表があるが、参加するたびに新しい発見がある。

 問題意識を持つ、課題に社会性を持たせる、上手な発表の仕方のコツを学ぶのに最適であり、生徒たちの参加を強く提案しておきたい。

  ( 写真はいずれもダブルクリックで拡大できる )

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 ● 注記 朝日新聞「リン」特集

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 ● 注記2  植物プランクトンの季節変化

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  ● 注記3  ダム排砂問題の朝日新聞(2014年10月16日付朝刊)

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2014年9月29日 (月)

マスコット、愛称は「シジミちゃん」 

Imgp562620140926 (2014.09.29)  懸案となっていたサギ島からのシジミ育成用の砂運びが、9月26日金曜日午後、行なわれた。昨年に続き、せせらぎ水路に投入の予定。去年秋には、ボートで運び入れていたが、今回は陸路で運んだ。参加者は佐倉康男さん、細井芳弘さん、島津喜三郎さんとブログ子。

 砂と小さなグリ石に分けて、11袋。その様子は、以下の写真の通り。グリ石はシジミハウスの裏側にかためておいた。砂はハウス内へ。

 今回、ときどきシジミハウスに立ち寄ってくれていた蜆塚在住の女性が、

 Imgp5624 佐鳴湖シジミプロジェクトのロゴ

 シジミちゃん

をつくってくれた。

 それをかかげたのが、下の写真。

 感じが柔らかになったからか、このロゴをハウス前の解説掲示板に貼り付けたところ、ジョギングや散歩中の住民のかたが、解説板をちょくちょくのぞくようになったと思います。

 シジミプロジェクトも、お堅い行政的な取り組みから、もっと住民に親しみのあるプロジェクトに気持ちを切り替える一つの手段として、この新ロゴはいいと思います。

 愛称はシジミちゃん

です。

 Cid_768c603a16a546a1a06942796ab7911 

 

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